3月20日、勤務の移動中に実家の父からメールが来た。
ほとんど送られることのない父からのメール。
母と一緒に甲子園に向かっているとのことだった。
それで思い出した。
今春の選抜高校野球大会に、父の母校である都立小山台高校が21世紀枠で出場するのだ。
出場をとても喜んではいたものの、まさか甲子園まで行って観戦するとは…
母校の晴れ舞台を前にして、父の愛校心に火がついたようだ。
結果は、大阪の履正社高校(甲子園の常連校のようだ)に、11対0の大敗であった。
都立高校初の甲子園一勝がかかっていたそうだが、常連校相手に一勝の壁は厚かったということか。
父からのメールには、地元の履正社高校が相手であったが、応援の観客数や応援の熱さ、ブラスバンドの力量などは負けていなかった、とあった。
大敗してしまったので、さぞ気落ちしているかと思い、慰めのメールを送信したところ、甲子園まで足を運ばせてくれた後輩たちへの感謝と、翌日には神戸へ観光に行くと、晴れ晴れとした文章で綴られた返信が届いた。
現役生(同窓生も多くいたそうだ)らと一緒に声を張り上げて応援している間、わずか数時間のことではあったが、父は懐かしい学生時代へと戻れたにちがいない。
その後、父からのメールはこれまでのように来なくなったが、メールに代わり、近日中わが家には関西みやげが届くことだろう。